基準価額の変動要因とは?どんなときに上がり下がりするの?

投資信託

投資信託の基準価額は、日々変動していて、運用会社によって1日1回算出されます。
投資信託を購入・売却する際は、基準価額をもとに行われるため、基準価額の変動によって、利益、または損失が発生します。
投資信託を保有するなら知っておきたい、基準価額が変動する理由をわかりやすく解説します。

運用損益

最もわかりやすい変動要因は、運用損益です。
投資信託に組み入れられている株式や債券の価格は、日々変動しています。
株式や債券の価格が上がれば、基準価額も上がり、価格が下がれば、基準価額も下がります。

ただし、運用損益と一口に言っても、その投資信託が何に投資しているかによって、変動要因は変わってきます。
例えば、日経平均株価が上昇したとします。
日経平均株価をベンチマークとする投資信託にとっては、基準価額が上がった要因になりますが、日経平均株価以外の株価指数をベンチマークとする投資信託にとっては、変動要因になりません。

分配金の支払い

投資信託には、分配金が支払われるタイプのものがあります。
分配金は、純資産総額から支払われます。
純資産総額とは、投資信託に集まっている金額のことで、投資信託の資産のことです。
分配金が支払われると、その金額分だけ、基準価額も下がります。

運用管理費用の支払い

投資信託は、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが運用を行います。
このファンドマネージャーに支払う運用管理費用(手数料)も、純資産総額から支払われます。
支払われた費用の分だけ、基準価額も下がります。

運用管理費用は、投資信託ごとに決められており、目論見書(投資信託の説明書)で確認することができます。
これは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」という投資信託の目論見書の一部です。

「運用管理費用(信託報酬)」という項目があります。
この投資信託は、純資産総額が500億円未満の部分は、年間7,500万円の運用管理費用がかかります。
500億円以上、1,000億円以上の部分は、運用管理費用が変わってきます。
支払先や、運用管理の内容についても、細かく記載されています。

投資信託によって変動要因は異なる

先ほどの、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、運用損益や、運用管理費用の支払いによる変動要因はありますが、分配金の支払いによる変動要因はありません。
この投資信託は、純資産総額の成長を優先し、原則、分配金の支払いを抑制する方針のため、2018年7月以降、分配金の支払いを行っていないからです。

分配金の支払い実績は、Webサイトで確認することができます。

このように、投資信託によって、基準価額の変動要因は異なります。

投資信託は、投資のプロが運用してくれるため、日々の変動を細かく気にする必要はありません。
ですが、ずっと放置していればいいというわけでもなく、基準価額に大きな変動があれば、保有する投資信託を変更した方がいい場合もあります。
自分が保有している、もしくは、購入を検討している投資信託は、何に投資していて、どんなときに基準価額が変動するのか、目論見書やWebサイトで確認しておきましょう。

おわりに

投資信託には、投資する資産・運用方針・分配金の有無など、様々な種類があります。
投資信託の情報は、目論見書やWebサイトで、すぐに確認することができます。
自分の大切なお金は、何に投資されていて、どのような理由で変動するのか、あらためて確認してみてはいかがでしょうか。

今後も、投資信託に関する基礎知識を解説させていただきますので、参考にしていただければ嬉しく思います。

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