為替とは、現金のやり取りをせずに、支払いを行うことです。
為替というと、難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、私たちは日常的に、為替という仕組みをを利用しています。
「為替って何？」「私たちの生活にどんな影響があるの？」という方向けに、為替の仕組みをわかりやすく解説します。
為替とは？
為替とは、現金のやり取りをせずに、支払いを行うことです。
例えば、毎月のスマホ料金は、銀行口座引き落としや、クレジットカードなどで支払いますよね。
携帯ショップに行って、直接、現金で支払うことはありません。
フリマアプリで商品を購入した際、出品者の自宅に、代金を支払いに行くこともありません。
直接、現金の受け渡しをしなくても、クレジットカードなどで支払いは完了します。
企業間の取引においては、数千万円・数億円という金額が動くこともあります。
取引の度に、多額の現金を、トラックや飛行機に積んで輸送していては、手間も時間もかかる上に、紛失や盗難といったリスクも伴います。
そのため、銀行などの金融機関を介して、支払いを行っています。
このように、現金を受け渡しする以外の方法で支払いを行うことを、為替といいます。
外国為替とは？
国内で行う為替を「内国為替」といい、外国と行う為替を「外国為替」といいます。
外国に製品を輸出したり、外国から製品を輸入するときは、外国為替で取引を行います。
遠い外国まで、現金を輸送することなく取引が完了するため、とても便利ですね。
ただし、外国為替で取引を行う際は、どちらかの国の通貨に合わせる必要があります。
日本円と米ドル、ユーロと英ポンドなど、異なる通貨で取引することはできません。
海外旅行に行ったとき、日本の硬貨やお札で買い物することができないのと同じです。
例えば、日本と米国で取引を行う際、まずは、日本の通貨と米国の通貨、どちらの通貨で取引するかを決めます。
米国の通貨で取引すると決まった場合、日本円を米ドルに交換し、米ドルで取引を行うことになります。
このように、外国為替は、異なる国の通貨を交換するという特長があります。
為替という言葉の本来の意味は、現金を受け渡しする以外の方法で、支払いを行うことです。
ですが、一般的に為替というと、外国為替で取引を行う際の「通貨の交換」を指す場合が多いです。
為替相場とは？
為替相場とは、ある国の通貨を、他の国の通貨と交換するときの交換比率のことです。
為替レートともいいます。
米ドルの為替相場は、2022年9月現在、1ドル=140円です。
日本円を1ドルと交換するには、140円必要ということになります。
140円持って銀行に行き、「1ドルと交換してください」と言えば、1ドルと交換してくれます。
為替相場は、通貨の需要と供給のバランスによって、日々変動しています。
1ドル=140円のときもあれば、1ドル=100円のときもあります。
「1ドルいくらかなんて、日常生活に影響があるの？」と思うかもしれませんが、為替相場の変動は、私たちの日常生活に深く関わっています。
為替相場の変動による影響
突然ですが、私は先日、iPhone13を購入しました。
iPhoneは、米国の企業「Apple」が販売している製品ですが、為替相場の変動によって、iPhoneを購入できる金額は大きく変わってきます。
Appleが、iPhoneを1,000ドルで販売したとします。
1ドル=100円のときは、10万円でiPhoneを購入できます。
1ドル=140円のときは、14万円でiPhoneを購入できます。
同じiPhoneでも、10万円で購入できるときもあれば、14万円で購入しなければならないときもあるということです。
iPhone以外にも、日本は様々なものを輸入しています。
日本には、広大な土地がないため、食料自給率が低く、食料品の多くは、外国からの輸入に頼っています。
スーパーや飲食店で売られている、パンやパスタの原料である小麦は、アメリカ・カナダ・オーストラリアの3か国から、ほぼ100％輸入しています。
家畜の飼料や、油脂などに使われるとうもろこしも、ほぼ100％アメリカから輸入しています。
さらに、日本はエネルギー資源にも乏しく、自動車や飛行機、工場で使う燃料の90%は、オーストラリア・インドネシアから輸入しています。
衣料品においても、市場に出回っている衣料品の60%は、中国から輸入しています。
為替相場が変動すると、日常生活に欠かせない、様々なものの価格も変動することになり、私たちの日常生活に、大きな影響を及ぼすことになります。
おわりに
為替とは、現金のやり取りをせずに支払いを行うことで、外国との為替を「外国為替」といい、外国為替の際の、通貨の交換比率を「為替相場」といいます。
為替相場は、景気・金利・国際情勢といった様々な要因により、日々変動しています。
これらの基本を理解しておくと、ニュースの理解も深まるのではないでしょうか。
今後も、為替に関する基礎知識を解説させていただきますので、参考にしていただければ嬉しく思います。
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