円高と円安とは?覚え方とメリット・デメリットをわかりやすく解説

基礎知識

円高とは、円の価値が高いことをいい、円安とは、円の価値が安いことをいいます。
円高と円安は、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらがいいという明確な答えはありません。
「円高と円安ってどういう意味?」「円高と円安はどっちがいいの?」という方向けに、わかりやすく解説します。

円高と円安とは?

1ドル=100円から、1ドル=90円になった場合、円高と円安のどちらでしょうか?

答えは、円高です。

「1ドル=100円から90円に下がって、円が安くなったんだから、円安でしょ?」
こう思った方もいるかと思いますが、答えはNOです。
円安とは、円の「数字」が下がったということではなく、円の「価値」が下がったということです。
これが、円高と円安の非常にややこしいところで、なかなか覚えられないほど、分かりにくいのです。

例えば、日本円と1ドルを交換するには、

1ドル=100円のときは、100円で1ドルと交換できます。
1ドル=90円のときは、90円で1ドルと交換できます。

1ドル=100円から、1ドル=90円になったということは、今まで100円で交換していたけれど、90円で交換できるようになったということです。
つまり、ドルの価値が安くなったということです。
ドルの価値が安いということは、円の価値が高いということになります。

反対に、1ドル=100円から、1ドル=110円になった場合、今まで100円で交換していたのに、110円で交換しなければならなくなったということです。
ドルの価値が高くなり、ドルの価値が高いということは、円の価値が安いということになります。

「1ドルは○○円」というドル基準で示されるのに、「円が高いか安いか」という円基準で話しをしなければならないという、基準が違ってしまうことが、ややこしくなる原因です。
円高か円安かを考えるときは、ドルの価値を基準に考えると、分かりやすくなると思います。

ドルが安くなったから、ドル安・円高。
ドルが高くなったから、ドル高・円安。

このように覚えておくと、円高と円安のどちらか、すぐに答えられそうですね。

円高と円安のメリットとデメリット

1ドル=○○円という為替相場は、日々変動しています。
円高と円安は、私たちの生活に、どのような影響を及ぼすのか、円高と円安のメリットとデメリットを見ていきましょう。

円高のメリット

円高の主なメリットは、米国からの輸入品を安く買えるという点です。
日本は、米国から、石油・小麦や大豆といった穀類・肉類などを多く輸入しています。
円高になると、石油を安く買うことができるため、電気・ガス・ガソリンなどの価格が安くなります。
小麦を原料とするパンやパスタ、米国産の肉類も、安く買うことができます。

円高のデメリット

円高の主なデメリットは、輸出を行う企業の業績が低下してしまうという点です。
日本は、米国に、自動車・自動車部品・機械類などを多く輸出しています。
円高になると、輸出品が値上がりするため、売れにくくなり、関連する企業の業績は悪化します。

また、米国株式などに投資をしている場合、円に換算したときに、目減りしてしまいます。

円安のメリット

円安の主なメリットは、輸出を行う企業の業績が好転するという点です。
円安になると、輸出品が安くなるため、売れやすくなり、関連する企業の業績は好転します。

また、米国株式などに投資をしている場合、円に換算したときに、資産価格が上がります。

円安のデメリット

円安の主なメリットは、米国からの輸入品の価格が高くなるという点です。
円安になると、石油・穀類・肉類などの価格が高くなります。
生活に必要な、様々なものの価格が上がり、家計を圧迫することになります。

おわりに

ドルが安いときは「ドル安・円高」、ドルが高いときは「ドル高・円安」です。
一度覚えてしまえば、円高と円安のどちらか、迷うことはなくなりますね。
私たちの生活に及ぼす影響など、基本を理解しておくと、ニュースの理解も深まるのではないでしょうか。

今後も、為替に関する基礎知識を解説させていただきますので、参考にしていただければ嬉しく思います。

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