日経平均株価とTOPIXとは?意味と違いをわかりやすく解説

基礎知識

日経平均株価とTOPIXは、日本の株式市場の株価指数です。
この2つは、日本で最も知名度の高い代表的な株価指数ですが、対象も単位も算出方法も異なります。
日経平均株価とTOPIX、これらは何を表しているのか?2つの株価指数の意味と違いをわかりやすく解説します。

日経平均株価とは?

日本には、株式や債券といった金融商品を売買する「東京証券取引所」という市場があります。
東京証券取引所には、およそ3,700社の企業が上場しています。
3,700社の企業は、株主数、時価総額、発行株式比率といった基準によって、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」に分類されています。

プライム市場スタンダード市場グロース市場
上場企業数1,839社1,466社466社
株主数800人以上400人以上150人以上
時価総額100億円以上10億円以上5億円以上
発行株式比率35%以上25%以上25%以上

日経平均株価とは、プライム市場に上場している1,839社のうちの、225社の平均株価です。
日本経済新聞社が、1,839社の中から、とくに優良とされる225社を選定します。
この225社の株価を足して、225で割ったシンプルな数字です。
225社には、トヨタ自動車、ソフトバンク、任天堂といった日本を代表する企業が含まれています。

TOPIXとは?

TOPIXとは、「Tokyo stock price index」の略で、日本語で「東証株価指数」といいます。
TOPIXは、プライム市場に上場している1,839社全ての企業の時価総額をもとに算出しています。
日経平均株価と並ぶ代表的な株価指数ですが、日経平均株価とは、対象も単位も算出方法も異なります。

  • プライム市場1,839社全ての企業が対象
  • 単位は円ではなく「ポイント」
  • 株価ではなく「時価総額」をもとに算出

大丈夫です。一つずつ、優しく丁寧に解説していきます。

プライム市場1,839社全ての企業が対象

日経平均株価は、1,839社のうちの225社を対象としているのに対して、TOPIXは、1,839社全ての企業を対象としています。
日経平均株価より視野が広く、日本の株式市場をより繊細に把握できると言われています。

単位は円ではなく「ポイント」

日経平均株価の単位は「円」ですが、TOPIXの単位は「ポイント」です。
このポイントとは、1968年1月4日の時価総額「8兆6,000億円」を「100ポイント」としたときに、現在の時価総額は何ポイントにあたるかを表しています。

どうして1968年1月4日なのかというと、TOPIXは1969年にスタートしていて、前年の大発会の日(証券取引所の年始最初の取引日)の1968年1月4日を基準日としています。

2022年8月現在のTOPIXは、およそ2,000ポイントです。
1968年1月4日時点のTOPIXは100ポイントですから、1,900ポイント分、経済が成長したということになります。
仮に、1968年1月4日に、投資信託を100万円買っていたとすると、現在は2,000万円になっているということになります。

株価ではなく「時価総額」をもとに算出

日経平均株価は、株価をもとに算出しているのに対して、TOPIXは、時価総額をもとに算出しています。
時価総額とは、企業の価値を評価するための指標です。
時価総額が大きいということは、業績や将来の期待も含め、価値の高い企業だと評価されているということです。

時価総額は、株価に発行株式数を掛けた数字です。
例えば、株価1,000円の企業が、株式を10万株発行しているとします。
この企業の時価総額は、株価1,000円 × 発行株式数10万株 = 時価総額1億円ということになります。

企業の価値は、株価ではなく時価総額で決まります。
株価の違うA社とB社で、どちらの企業価値が高いのか見てみましょう。

A社:株価10万円 × 発行株式数10万株 = 時価総額100億円
B社:株価1万円 × 発行株式数100万株 = 時価総額100億円

株価はA社の方が高いですが、時価総額はどちらも同じですので、A社とB社の企業価値は同じということになります。
このように、株価が高い = 企業の価値が高いということではありません。

ちなみに、日本で最も時価総額の大きい企業はトヨタ自動車で、時価総額は35兆円です。
世界で最も時価総額の大きい企業はAppleで、時価総額は415兆円です。
時価総額は、企業そのものの価値ですので、Appleを買うためには、415兆円ものお金が必要ということになります。

おわりに

日経平均株価とTOPIXは、どちらが正しいということはありません。
ただ、TOPIXの方が視野が広く、企業の価値を示す時価総額をもとに算出しているため、より実態を捉えているのではないかと言われています。
違いを理解した上で、日経平均株価とTOPIXの両方を把握しておくことが、正しいと言えるのかもしれません。

今後も、株価に関する基礎知識を解説させていただきますので、参考にしていただければ嬉しく思います。

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